北海道の北東沿岸に位置し、オホーツク海の流氷で知られる網走市。
そこに日本で唯一の監獄博物館があり、当時の囚人の暮らしを学ぶことができます。
この「網走監獄」が2023年4月26日フジテレビ「林修のニッポンドリル」の学者とめぐるシリーズでも紹介されました。
網走監獄は網走市の観光スポットとしても有名ですが、
なぜそんなに注目されるのか、また見どころやアクセスについても調べてみました!
なぜ網走に監獄ができたか?歴史的背景
世の中が、江戸時代から明治時代へと大きく切り替わった頃。
北海道開拓は重要な懸案事項でした。
当時、南下政策をとっていたロシアの脅威から日本を守るため、北海道の開拓が必要だったのです。
そこで考え出されたのが、国中が大きく揺れ動いた時代に急激に増えた囚人を、労働力として使うこと。
開拓のために北海道各地に監獄を作る計画はどんどん進められ、北海道に囚人が集められました。
その中で作られたのが網走監獄でした。
明治23年、網走監獄は最初「網走囚徒外役所」という名前で誕生しました。
北海道、網走の発展の裏には、多くの犠牲者がいたことも忘れずに・・・
道路などを作る工事が、千人を超える囚人により昼夜兼行で強行されました。
道なき道を進む囚人の旅は、険しい地形と熊との戦いだったそうです。
逃亡を防ぐため囚人は二人ずつ鉄の鎖でつながれながらの重労働。
工事現場が山深くなると、栄養失調やケガなどで死亡者が続出。
千人の従事者から看守も含め、二百人以上の犠牲者を出したそうです。
このように、他の街と網走をつなぐ道路や鉄道の線路、港や空港、広大な農地など現在も私たちが利用しているこれらのものを、
最初に作ったのは網走の囚人達だったということを忘れないようにしたいものです。
なぜ網走監獄が有名なのか?見どころも紹介
なぜ網走監獄が有名なのか?
1つ目は、当時の囚人の暮らしを学べる日本で唯一の監獄博物館だからと推測されます。
2つ目に、網走監獄が“日本一脱獄が難しい刑務所”と言われていたこともその理由と思われます。
※ちなみに、現「網走刑務所」(北海道網走市字三眺)は、
受刑者を生活させる刑事施設を指します。
現在でも受刑者を収容して使っているため一般人には内部を公開していません。
「網走監獄」(北海道網走市字呼人)は明治時代に建てられた野外歴史博物館であり、
当時は受刑者を入れていた刑務所として利用されていましたが、
現在は保存し、有料で中が観覧できるようになっています。
訪れる際は、この2つを混同しないようご注意ください!
次は、そんな網走監獄の見どころを紹介したいと思います!
「網走監獄」の見どころ
舎房及び中央見張所
中央見張所を中心に5棟の舎房が放射状に広がっていて、
1ヶ所から舎房全てが見渡せるようになっています。
これはベルギーの監獄をモデルにしたもので、
少ない人数で全ての獄舎が監視できる構造。
この厳しい監視体制は、ここ網走監獄が“日本一脱獄が難しい刑務所”と
言われた理由の一つにもなっているようです。
懲罰房
明治時代の監獄の規則には、規則違反者を暗い部屋に閉じこめ、
食事を減らし、反省させるという厳しい罰則があったそうです。
浴場
網走刑務所では、明治45年にコンクリートの浴槽にボイラーで湯をわかす近代的な浴槽が作られました。
作業場ごとに15人ずつが、看守の号令のもと、
脱衣に3分、第1槽入浴3分、洗身3分、あがり湯の第2槽入浴3分、着衣に3分
というように、脱衣から着衣まで15分間で効率よく入浴したそうです。
監獄食(再現メニュー)
監獄食堂では、網走刑務所で収容者が食べている食事の再現メニューを
実際に味わえるそうです。
荘厳な建築物と周辺の美しい景観
威厳のある建築物と、周辺の美しい自然が素晴らしい景観を見せてくれます。
網走監獄の周辺ではエゾリスに出会えることもあるみたいです。
網走監獄の詳細・アクセス(2023年4月現在)
●場所 〒 099-2421 北海道網走市字呼人1-1
●電話 0152-45-2411
●駐車場
無料。敷地内に2ヶ所あります。(第1駐車場、第2 駐車場)
乗用車400台、バス専用レーン21台、身障者専用、バイク専用レーン・自転車置き場有。
●アクセス
・JR網走駅から博物館網走監獄までは約4kmです。
徒歩:約40分 車:約7分 バス:約10分
バスの場合は、最新時刻表・運行状況を網走バス株式会社のウェブサイトでご確認下さい。
・女満別空港から博物館網走監獄までは約18.5kmです。
車:約20分
空港からのバスはJR網走駅まで直行します。駅で上記路線バスへお乗換ください。
まとめ
網走市の観光スポットとしても有名な網走監獄。
網走市に誕生した歴史的背景や、
なぜ網走監獄が有名なのか、
また見どころや詳細・アクセスについて紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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